朝おきて。
トイレに行って。
服を着替えて。
顔洗って。
ごはん食べて。。。。
これと同じような感覚で『子ども授かり』 『子どもを産み』 そして『子どもを育てる』
先日。私が担当している妊婦さんが本を貸してくださいました。
『もしかしてえぬさんに診てもらうのは今日で最後かと思って!!
これ!本屋で見つけて、わ~~!えぬさんがいつも言ってることだ!えぬさんに貸してあげたい!
えぬさんに読んでもらいたい!と思って今日持ってきたんです』
と健診が終わったあとにほっぺをピンクにしながら手渡してくれました。
この日で38週と0日。
私の担当のこの妊婦さん。出産予定日まであと2週間となりました。
助産師の私が彼女を健診させてもらうのは、これで5回目になります。
彼女とワタシの『はじめまして』は彼女は妊娠中期の頃。
『体重がね。増えて増えて!!困ってるんです!!あはは!』と、第一印象としては明るい可愛らしい方。
あの出会いから 何度か健診して沢山のお話をしました。
毎回の妊婦健診で私がさせていただいていること。
まずは体重測定。
その後、お腹を触らしてもらい、
子宮が硬くないか。赤ちゃんの向きはどうかを診たあとに、お腹周りや子宮の長さをはかります。
超音波もします。
赤ちゃんの大きくなっているか。
そのときの子宮の中で赤ちゃんが何をしているのか。などを超音波に写る画像を見ながらお話しています。
古い超音波の画像を見ながら、
おなかの中で赤ちゃんはこういう向きで入っているよ。丁度、おかあさんの右の背中見ている感じ。
顎は引いていて手は胸の辺りで組んでいるのかな?
今。口をパクパクしてるでしょ?ここが赤ちゃんの口。わかる?
コレはね。羊水を飲んでるんだよ。
赤ちゃんは羊水を飲んで自分で羊水をきれいにして、きれいになった羊水を
おしっことして出して、子宮の中を住みやすくしてるんだよ。。。。
あ。今。足で蹴ったね~~。。。。などなど。
お腹の中から私たちの会話を聞いているのか
赤ちゃんは超音波の途中でよく至急の壁を蹴って合図をしてくれます。
『おかーさんとこのおばちゃんは。ナニ?喋ってんの?なになに??わたち。すごく興味ある!!』風に
ぽこぽこ自分の存在をアピールしてくれます。
そういう時は
『ありゃー。わかるん?いい子だね。いい子。かわいいね。』と、蹴って出っ張った赤ちゃんを
お腹の外からこちょこちょとしたり。。
超音波がおわるとゆっくり話をします。
なんてことない日常の話であったり、美味しかった体に良いお茶の話をしたり。
どーして、体重が増えすぎてしまったのか?反省という言い訳を聞いたりw
もちろん。
赤ちゃんが生まれるその日を最高の状態で迎えることができるよう
私が知っているコトを全て。
赤ちゃんが生まれてくる力を信じること
自分が赤ちゃんを産める力を信じること
『はじめまして』
その時から時間をかけてゆっくり毎回お話します。
そして、いよいよあと2週間後!
あ~。
あと。2週間!あと2週間で生まれるんだな!!
そう思うと
とても楽しみな反面、
無事に本当に無事に生まれてきてくれますように・・・と、
正直、非常に緊張している自分もいます。
彼女には
自分の産む力を信じること
赤ちゃんが自分から生まれてくる力を信じること。
出産は
普段私たちがしている 寝る・食べる・出す。
それと同じで自然なもの。だから怖くない。だからコレまで一緒に健診をとおして話をして
気持ちを高めたり、自信を持てるからだ作りをしてきたのだからな。
だから大丈夫。
健診の最後は毎回そう言って、彼女を見送ってました。
でも。。。
実は私自信が。
助産師として、私が本当にこれまで頑張ってきた彼女に納得していただけるような出産の『おてつだい』ができるだろうか。
予定日が近づくにつれて楽しみな反面、
彼女の出産を支えきれるだけの器量や力が自分にあるのだろうか?
本当に不安や緊張が強まっていました。
助産師なり
20年弱になりますが、どんなお産でも、毎回出産に立ち会うときはとても緊張します。
何年たっても、何度も何度も経験をつんでもこの不安や緊張はとれません。
ましてや、
彼女は私が中期から、診させていただいた方。
責任重大。
緊張MAX不安MAX
緊張MAX不安MAX
そんなときに彼女からのこの本。
『信じること』
を、毎回健診の度に偉そうに説いていたくせに。ぜんぜん、自分じしんを信じれていなかった。
そこに。
~大丈夫やで~
本のタイトルを見た瞬間。思わず涙がでそうでした。
ええ!
大丈夫。きっと!私は彼女を支えきれる!
この妊婦さんに救われた、そんな先日のできごとでした。ありがと===!!